猫白血病ウイルス感染症の症状や潜伏期間、感染経路などを解説!

猫白血病ウイルス感染症,症状,潜伏期間,感染経路

猫白血病ウイルス感染症は、感染後の状態に個体差がかなり大きく、完全回復して寿命をまっとうする子もいれば、体内からウイルスが消えずに数年後に発病して亡くなってしまう子もいる感染症です。

とくに生後間もない子猫が感染すると、ほぼ100%ウイルスが消えることはありません。猫白血病ウイルス感染症には、知っておくことで不用意な感染を回避できる道があります。

そこで今回は、猫白血病ウイルス感染症の症状や潜伏期間、感染経路などを詳しく解説いたします。

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猫白血病ウイルス感染症はどんな症状が表れる病気なの?

猫白血病ウイルス感染症,症状,潜伏期間,感染経路猫白血病ウイルス感染症の特徴は、「急性期」と「持続感染」があると言う事です。「急性期」とは感染してしまった時のことです。治療や免疫力によりこの時点で完全回復出来る子もいます。健康な成猫が持つ免疫力はウイルスを消滅させられるだけの力を持っているため、感染しても回復することが多くなります。

ただし、生後間もない子猫や、ケガをしている成猫、病み上がりの成猫、持病がある成猫、高齢の猫にいたっては免疫力が低いため、症状が治まっても体内にウイルスが残ってしまう「持続感染」が多くなります。

「持続感染」とは、症状は回復したのに検査をすると陽性反応が出ている状態です。ウイルスは静かに隠れているのです。感染から4か月経った時点で陽性の場合、持続感染となります。その後生涯ウイルスが消えることはありません。

持続感染が認められると、その後2年以内が63%、3年以内には83%の確率で命を落とします。これは、ウイルスが潜伏しながら時間をかけて体を蝕み、元気な細胞を殺したり、ガン化させるために起こります。とくに「悪性リンパ腫」で死亡します。

感染から1~2年後に「悪性リンパ腫」を発症する可能性が大変高くなる一方で、そのまま問題なく寿命をまっとうする猫もいるのです。これは、持続感染はしたものの、その猫が持つ免疫機能がウイルスの動きを阻止することが出来るためだと考えられます。

持続感染した中での個体差は、体力や免疫力の高さが影響していると考えられますが、はっきりとした理由がわかるものではありません。

感染経路と潜伏期間

猫白血病ウイルス感染症の感染源は主に唾液、涙、血液、母乳、便です。仲間とのグルーミングや親子の間で感染が広がります。そのためすべての飼い猫を完全室内飼いしている限りは感染することはありません。

外に遊びに出た猫が、感染している猫とケンカをしてウイルスをもらい受けてしまう事は良くあるのです。猫白血病ウイルス感染症は予防ワクチンに含まれていますが、残念ながら100%の効果ではありません。

外に出た猫がお庭で静かに過ごしている程度なら問題ありませんが、町内をパトロールに出かけたりする活動的なタイプの猫は確率は高くなります。

遊びに来る野良猫と飼い猫が仲良しなどの場合も、鼻をつけてあいさつしたり、お尻を嗅いだりしてしまうので十分に注意しなくてはなりません。

このウイルスは、猫の体から離れると弱くなります。熱や太陽にさらされることでも感染力を失うため直接外の猫と接触しなければ感染することはまずありません。

多頭飼いの場合、1匹が感染してしまうと食器やトイレの共有、グルーミングなどですべての猫が感染してしまいます。元気で栄養も十分な成猫であれば回復する確率は高くなりますが、子猫がいる場合は深刻な事態です。

感染するとウイルスは1ヶ月~2ヶ月もの時間をかけて潜伏し「リンパ→血液→体内すべてのリンパ→骨髄」と入り込み発症します。

さらに持続感染の場合は、数か月~数年もの間静かに潜伏し、その後色々な病気を発症させますが、中でも1番高い確率で発症するのが「悪性リンパ腫」です。

反対に悪性リンパ腫を発症する原因を見てみると、そのほとんどが猫白血病ウイルス感染症の持続感染なので、猫白血病ウイルス感染症に感染しなければ、悪性リンパ腫にもならずに済むのです。

猫白血病ウイルス感染症は潜伏期間が大変長く、その分じっくりと免疫力の弱いところを把握して攻めてきます。体力、免疫力ともに弱い子猫にとっては、悪魔のようなウイルスなのです。

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急性期の症状と治療法

最初に感染した時には、食欲不振、体重減少、元気の喪失、貧血、下痢、発熱、口内炎、鼻水、リンパ節の腫れなどが発症します。

元気な成猫は、骨髄でウイルスを感知すると、増殖する細胞を壊して防御します。これは、免疫機能がさせるもので、さらに効率を高めるために、発熱やリンパの腫れなどが起きています。

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治療は、それらの免疫機能を応援する方法になります。インターフェロンの投与によりさらに免疫力が高まり、抗生物質の薬を飲むことで、増殖を防ぐことが出来るのです。

高栄養剤などで体力を回復させ、自力でウイルスと戦うことになります。ほとんどの成猫には、十分な免疫力があるので、ケガを負っていたり、過度なストレス、持病があるなどで無い限りは、回復します。

増殖できないウイルスはすぐには消滅せず骨髄に隠れますが、血中に流れ出ることも出来ず、徐々に骨髄細胞に破壊されていきます。この工程には時間がかかりますが、この間に病気が発症することはありません。

ここで回復した猫は、2度と猫白血病ウイルス感染症に感染することはありません。ただし、感染してない猫と比べると、将来「悪性リンパ腫」になる確率は高くなっています。

持続感染の症状と治療法

急性期の症状が治まると、回復したかのように見えますが、感染から4か月経った時点で検査をして陽性の場合は持続感染となり、それは生涯消えることはありません。

ウイルスが体内にいるのに症状が治まっているのは、免疫機構が攻撃を休んでいるためです。その間もウイルスは血中を循環しています。持続感染の子猫は3年以内に死亡する確率が高いので、定期的に病院での検査や診察が必要です。

何も発症しない時期は数か月から数年続きますが、再び異常が現れた時は重篤な病気となって現れます。一番多いのが「悪性リンパ腫」です。

悪性リンパ腫とは?

悪性リンパ腫は、残念ながら治癒することはありません。治療は延命を狙ったものです。子猫や若い猫ほど早く死亡することが多く、抗がん剤の副作用に耐えられずに消耗してしまう事もあるのです。

そのため、この病気と診断された時は、治療法について家族や医師を交えて、慎重に考えましょう。治療に夢中になり、猫を苦しめてしまうことにもなりかねません。

藁にも縋る思いで治療をし、何とか助けたいと思いますが、猫のことを考えて慎重にかつ冷静に判断してあげることも大切です。

悪性リンパ腫は、治療せずにいたら1~2か月で死亡してしまいます。抗がん剤や化学療法で半年~2年と言われています。抗がん剤の治療は、壮絶な苦しみです。

そして、抗がん剤の効果があってガン細胞が消え、寛解が見られると飼い主は飛び上がるほど喜んでしまいますが、これは治ったのではありません。体調が改善され、苦しくない生活が送れるわずかな時間が得られたと言う事です。

残念ながらほぼ100%再発し、次はさらに辛い症状となります。抗がん剤を使わずに、高栄養剤や食事療法など猫の負担を減らして、寛解を目指す方法もあります。

亡くなったあと、「なぜあんなに辛い治療をして苦しめてしまったのか」と自分を責めてしまう飼い主さんはとても多く、助けたかったと言う思いが強かった分、今度は飼い主さんが苦しみから抜けられなくなってしまいます。

治療方針は自分一人で抱え込まずに、家族や医師と相談するようにしましょう。また、色々な方法で最後を迎えた飼い主さんの意見を聞くのも参考になります。

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まとめ

猫白血病ウイルス感染症は、健康な成猫であれば回復できるだけの免疫力があります。急性期で回復できずにウイルスが体内に残ると、持続感染となり生涯ウイルスが消えることはありません。

持続感染後も免疫機能が働き、寿命をまっとうする猫もいますが、感染時が生後すぐだった場合は、数か月~数年後に悪性リンパ腫を発症し、死亡する確率が高くなります。

猫白血病ウイルス感染症はワクチンでは確実に予防することが出来ません。一番良いのは、感染猫と接触させないことです。完全室内飼いの場合はほぼ心配ありません。日頃から栄養バランスを考え、免疫力を上げておくのも予防の一つです。

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