猫が怪我した箇所には人間ようのオロナインを塗っても大丈夫?

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一家にひとつオロナイン。昭和の時代から長く続いて愛されている薬です。消毒力、止血効果、保護材が入っているため万能ですが、猫の傷に塗っても効果はあるのでしょうか。

猫に気になる傷ができると、オロナインで治るのでは?と塗ってあげたくなりますが、やはり人間用に作られたものなので猫への使用には不安が残りますね。

そこで今回は、猫の怪我に人間用のオロナインを塗っても大丈夫なのか詳しく解説いたします。

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猫の怪我に人間用のオロナインを塗っても大丈夫?

猫,怪我,オロナインオロナインにはステロイドや劇薬成分は入っていませんので、万が一舐めてお腹に入ってしまっても死んでしまうような事はまず心配ありません。

オロナインの主成分は消毒・殺菌に優れた「グルコン酸クロルヘキシジン」と言う成分で、多くの消毒薬に含まれている安全なものです。

なので、猫に塗っても大丈夫な成分です。では効果はあるのか・・・と言うと、実はオロナインと同じくらいの傷を治す力は元々猫には備わっているのです。

そのため、「塗っても大丈夫だけど、とくに塗る必要はない!」と言うことになります。また、塗れる傷は「小さい擦過傷、浅い切り傷」に限るので、塗る必要はあるのかな・・・?と感じる程度の傷までです。

オロナインH軟膏の注意書にもありますが、「深い傷、広い傷、湿疹、皮膚炎、虫刺され、Ⅱ度以上のヤケド」は塗ってはいけないと決まっています。深い傷、広い傷は感染症の恐れがあるので特に使用してはいけません。

猫がケンカして負った傷は、相手の爪や歯によって見た目より深い傷が出来た場合が多いので、たとえ小さく穴が空いているような傷にも使用してはいけません。

「湿疹、皮膚炎、虫刺され、Ⅱ度以上のヤケド」これは、アナフィラキシーショックを考えての注意です。アレルギー反応が起こる可能性がある傷には使用してはいけないのです。

こう考えると、猫が怪我した時の傷は「オロナインを使わなくても猫が自分で治せる程度の傷」か「オロナインを使ってはいけない傷」に分かれてしまいます。

猫は強い皮膚の再生力、免疫力を持っているので、ある程度の傷は自分の力で治してしまいます。傷ができてかわいそうだと思ったなら、免疫力を上げるために、高栄養のエサを食べさせて自然治癒力を上げてあげた方が良いです。

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猫の怪我の対処法!消毒についての考え方が変わってきている?

人間も猫も切り傷や擦り傷ができた時は、とにかく早く水道水で洗い流すことが1番です。これは従来通り変わりはありません。

体に備わった自然治癒力は大変優れているので、怪我をするとその瞬間から再生が始まっています。

免疫機構は細菌の侵入に備え莫大な数の細胞が集合し次々と細菌に戦いを挑んでいきます。止血機構は切れた毛細血管の修復に、皮膚再生機構はちぎれた皮膚の下に新しい皮膚を作り始めます。

傷の表面に付いた細菌をキレイに洗い流して上げることは、侵入する細菌を激減させられるので飼い主が猫にしてあげられる事の中でも最重要作業です。

ここで消毒薬を使うとどうなるでしょうか。「消毒薬」は良いものと悪いものを区別することが出来ません。そのため体内に侵入すると、細菌などの悪い菌も猫が持つ自然治癒力の良い細胞もすべて攻撃してしまいます。

消毒薬の効果で細菌は減りますが、一度で全部の菌が死んでしまう事はありませんし、外からも次々と細菌が侵入します。元々備わっていたはずの自然治癒力が効果を発揮できない状況の中で、細菌の繁殖は止められなくなってしまうのです。

また、体内の自然治癒力は体力がある限り持続しますが、オロナインなどの消毒薬には効果の時間制限がありますね。効力が切れた時に、自然治癒力も低下してしまっているとひどい感染症を起こしてしまうのです。

皮が剥けているような擦り傷がある時は、水道水で患部を洗うだけで十分な殺菌効果があります。もしもその後何かつけてあげたいのなら、薬ではなく保護する役割として「ワセリン」が効果的です。

「傷=消毒」と昔から擦りこまれているので抵抗はありますが、近年消毒薬を使わない治療が主流になり替わろうとしています。

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猫の怪我はあなどれない!膿んだ傷は病院へ!

家と外を自由に出入りしている猫は、たびたびケンカ傷を作って帰って来ます。耳や目に異常がある時や大量に出血した時などは、飼い主も驚いて病院にかけつけますが、傷があっても猫自身が元気に過ごしていると「大丈夫そうだな」とやり過ごしてしまいます。

猫のケンカの傷は思いもよらぬほど深い場合もあり、また細菌感染の可能性もあるので甘く見ることはできません。数日経ってからぐったりすることがあるので、傷口は毎日確認してください。

傷から膿が出てくるのをみると、飼い主の心情として、「消毒+何にでも効く軟膏」を塗ってあげたくなりますが、特に猫の膿んだ傷は危険なので飼い主の判断での処置はやめましょう。

猫の膿は、外に出ずに体内に溜まってしまい、全身に毒素が巡ってしまう可能性があるのです。必ず病院で処方される抗生物質で治療するようにしましょう。

人も猫もおなじですが、オロナインは膿んだ傷には効果がありません。「化膿を止める」と言う成分は入っていないのでむしろ悪化させてしまう可能性があります。

猫のヤケドにオロナインは塗っても良い?

切り傷や擦り傷の他に、オロナインの効果を発揮する怪我に「Ⅰ度のヤケド」があります。

Ⅰ度のヤケドと言うのは、表皮が赤くなりヒリヒリとする程度の症状です。人間の皮膚は丸出しなので、熱いものに触ると一瞬で赤くなってしまいますね。オロナインを塗ると痛みが早く消えて重宝します。

 

人と猫の皮膚の違いを見てみると、

猫,怪我,オロナイン出典:http://www.petwell.jp/report/2012/07/25/1408

猫は表皮が大変薄いことがわかります。そのため、たくさんの被毛で守られているのですが、ひとたび皮膚に熱い衝撃が届いてしまうと、Ⅰ度の表皮のヤケドではすまないことが多いのです。

オロナインはⅠ度以外のヤケドには使用しないように記載されているため、猫のヤケドにはほとんど場合使用不可だと考えてください。

また、コンロに乗ってしまったり、ストーブに触って肉球をヤケドした場合はすぐに冷やして病院へ連れて行きましょう。肉球は薄い皮の下に脂肪と弾性繊維がパンパンに詰まっています。

そのためすぐには熱さを感じず気が付いた時には皮がめくれ上がるほどのヤケドになっていたり、深部まで熱が浸透してしまっている事があります。

肉球の表面には血管が通っていないため、怪我をしてしまうと治りにくいので早めにきちんと治療しましょう。

肉球はかわいいだけでなく、猫にとっては衝撃を受け止める大切な役割を持っているので大事にしてあげたいですね。

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まとめ

猫の怪我にオロナインの消毒成分は必要ありません。塗っても有害ではありませんが、本来猫にはオロナインほどの治癒力が備わっているのです。

また、猫が負う傷はオロナインの注意書に「使用しない」に分類される怪我が多いのです。猫のケンカ傷は見た目より深いことがほとんどなので、「気になったからオロナイン塗っておこう」と軽い気持ちで塗ると、悪化してしまう事があります。

人も猫も膿んだらオロナインは効果がありませんので、化膿を止める処置が必要です。猫は表皮が薄いため、ヤケドした時は人間のⅡ度以上になっていることが多いです。

オロナインの使用はⅠ度のヤケドまでなので、使用することは出来ません。オロナインは人間のために作られた薬です。基本的には「使用しない」と考えると間違いはありません。

また、アナタの愛猫が大きな怪我や病気をした場合の時の準備はできているでしょうか?どんなに健康な愛猫も、歳をとり病気や怪我をしてしまう事は覚悟しないといけません。

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