猫汎白血球減少症は原因ウイルスの名前をそのままつけて、「猫パルボウイルス」と呼ばれることが多いです。
以前は「猫ジステンバー」と呼ばれていて、これに感染すると助かる猫はいないとまで言われた病気でした。
猫パルボウイルスは死亡率の高い感染症ですが、以前に比べると動物病院の普及やインターフェロン製剤の充実、高栄養剤、輸血などによって、早期の発見が出来れば乗り越えられる件数も増えてきています。
それでも、「パルボ」と聞くだけで愛する飼い猫を亡くされた苦しみを思い出す方も多いのが現実です。
そこで今回は、早期発見のために知っておきたい猫汎白血球減少症の症状や、血便があるのはどう言う状態なのか、完治するまではどれくらいかかるのか、などについて詳しく解説いたします。
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猫汎白血球減少症とはどんな病気なの?
猫汎白血球減少症は、一般的には猫パルボウイルスと呼ばれている感染症です。大変強い感染力を持ち、死亡率の高い病気です。特に、生後数か月以内の子猫が感染して命を落とすことが多く、助けるためにはどれだけ早く治療を始めらるかと言う事にかかっています。
潜伏期間が5~14日と比較的長い事が感染を拡大させてしまう要因のひとつです。まさか感染していると気が付かずに未感染猫と接触させてしまったり、飼い主が媒介してしまうこともあります。
ペットショップや愛護団体でもらい受けた子猫が保菌していることもあり、先に飼っていた猫に感染し、全員死亡してしまったと言うやりきれないケースもあります。
生後数か月の子猫は大変かわいらしく、家に連れてきた時はこれから一緒に生活できる喜びで幸せいっぱいですね。ところが、パルボウイルスに感染していると数日で嘔吐を繰り返すようになり、元気がなくなり、食事は一切しなくなってしまいます。
飼い主はいったい何が起こったのか、わけがわからないと言った状態です。この時すぐに病院に行けたなら、回復する確率は格段に上がります。
「どうしたんだろう・・・」と様子をみているうちに、どんどん症状は悪化して、数時間後に突然死してしまうこともあるのです。
感染ルートや症状、血便は出る?
感染力の強いウイルスは、驚くほど近くに潜伏していることがあります。パルボウイルスは感染した猫の糞尿や吐しゃ物から排出されたあと、乾燥している状態では1年近く存在し続けることがわかっています。
飼い主が運んでしまう場合も考えられます。外部でウイルスを衣類や靴につけたまま帰宅し、飼い猫がそれに接触して感染してしまいます。また、感染していると知らずに他の猫を触り、そのまま飼い猫を触ってしまう場合にも感染させてしまいます。
パルボウイルスはノロウイルスと同様にエンゲロープを持たないタイプのウイルスなので、洗剤やアルコールでは死ぬことはありません。他の猫を触った時は、十分な手洗いでウイルスを流し取らなくてはならないのです。
野良猫に感染が多く見られるため、自由に外に遊びに行く猫への感染率は大変高いものになります。パルボウイルスは三種混合、五種混合のワクチンで食い止めることができるので、特に外に出る猫の場合は必須です。
多頭飼いのご家庭は確実にワクチンで感染を阻止しましょう。突然、すべての猫を失うこともあるのです。完全室内飼いだから大丈夫とは言いきれません。
また、新しく子猫を増やそうと考えた時に、感染した猫を引き受けてしまうことがあるので、すでに飼っている猫がいる場合は慎重に確認しましょう。
成猫の場合
成猫が感染した場合は、早い段階で治療を始められれば亡くなる確率はかなり低くなります。1日でも遅れると、その確率は急速に高くなってしまいますので素早い判断が必要です。
症状は嘔吐から始まります。元気がなくなり繰り返し黄色い胃液のようなものを吐き始めた時は、パルボウイルスを疑ってすぐに病院に連れて行きましょう。
感染したウイルスは体内に入ると喉頭リンパ節で大量に複製されます。その後血液に入り全身を巡り始めます。最初の嘔吐症状は子の時点で始まります。ただちに治療をはじめてください。
成猫の場合はその後、パルボウイルスは腸陰窩細胞に入って腸粘膜の形成を破壊し、症状としては下痢や水様粘血便が出るようになります。血便が出始めてしまうと、初期の段階で治療を始めた時に比べて死亡確率はかなり高くなります。
その後骨髄細胞を破壊し始め、これによって白血球が激減してしまい、本来無害であるはずの腸内細菌なども防御できなくなり、敗血症を起こします。白血球減少が見られてからは、助かることはあまりありません。
これらが進行するスピードは個体差が大きいものですが、まったく治療を受けられない場合は7日以内にはほぼ死亡します。また、血便が出始めてから3日以上過ぎると、助かる見込みはほぼ断たれてしまいます。
子猫の場合
生後数か月以内の子猫の場合は、さらに深刻な状況です。ウイルスが全身に回ると、心筋細胞で膨大な数に複製されてしまいます。これは、子猫の成長段階で細胞分裂が激しく起こっているためで、ウイルスもそれに便乗して一気に増殖させようと集まります。
これによって、正常な細胞は破壊され、心不全を起こして突然死してしまいます。これは個体差がありますが、嘔吐から数時間で起こる可能性もあり、あらためて大変恐ろしいウイルスだと言えます。
完治後は危険なウイルスの感染源にならないように注意!
治療法
猫パルボウイルスに感染の診断が下ると、子猫の場合は隔離入院することになります。成猫でも状態が悪い場合は同じく隔離入院になります。
パルボウイルスを直撃できる特効薬は無く、抗生物質、下痢止め、吐き気止め、免疫力を高めるインターフェロンの投与、輸血、点滴で治療します。
これらの治療は、猫の体を守るための治療となり、ウイルスへの攻撃性はありません。そのため、あとの望みは生命力の強さを信じて祈ることしかできないのです。
完治後
無事回復して完治までは、10日から1ヶ月とこれも個体差や重症度によって変わります。成猫も子猫も、命の危機を脱して助かった場合は、抗体ができるため2度目は発症しないか、軽度で済みます。
症状が回復して退院してきてからも、便からのウイルスの排出は続いています。そのため、飼い主が気を付けたいのが、周囲で猫を飼っている人たちへの配慮です。
自分の家の猫が猫パルボウイルスに感染したら、職場や周囲の皆さんの飼っている猫がワクチンを打っているか確認してみてください。今度は、自分が媒介してよその猫たちを苦しめ、死の淵に立たせてしまうかもしれません。
猫パルボウイルスの恐怖とワクチンの必要性を説明して、同意してもらいましょう。また、感染したことがあるようなら心配することはありません。猫を飼っているお宅へ出向くのも自粛してください。
妊娠している猫がいた場合は死産や流産となり、母子ともに危険にさらすことになってしまいます。無事に産まれても、脳に障害が出る危険性が高いのです。
人間関係は複雑で、言いにくい場合もあるかと思いますが、猫の命を引き替えて良いようなことはありません。自分の飼い猫を守ったように、他の猫たちを苦しめないようにするもの飼い主の責任です。
まとめ
猫汎白血球減少症はその原因ウイルスの名前の通りに、猫パルボウイルスと呼ばれています。この病気は、生後数週間から数か月の子猫に感染すると死亡率の高い病気です。
猫パルボウイルスは三種混合ワクチン、五種混合のワクチンで感染を防ぐことができます。1度感染すると抗体ができるため、次からは発症しないか、しても軽度の症状です。
成猫の場合は、嘔吐と下痢やよだれ、食欲不振や元気がなくなるなどの症状が出るので、すぐに病院に連れて行きましょう。
すぐに死亡してしまう事はありませんが、治療をしなければ死んでしまいます。血便が出始めたら危険なサインです。
子猫は嘔吐をし始めて、パルボウイルスだと判定する前に数時間で突然死してしまう可能性もあるのです。そのため、おかしいと感じたらすぐに病院に連れて行きましょう。院内感染の恐れもあるので、電話をしてから病院の指示に従って受診するのが良いです。
猫パルボウイルスは早期の治療が出来るか出来ないかで生死を分けるということを忘れずにいてください。生後間もない子猫の場合は間に合わないこともありますが、毎年のワクチンは受けていれば、大切な猫を苦しめることにならずに済むのです。
猫パルボウイルスはすぐ近くに潜んでいるウイルスです。いつ感染してもおかしくないのですよ。
また、アナタの愛猫が大きな怪我や病気をした場合の時の準備はできているでしょうか?どんなに健康な愛猫も、歳をとり病気や怪我をしてしまう事は覚悟しないといけません。
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