猫カリシウイルス感染症の治療法や症状、潜伏期間を解説!

猫カリシウイルス感染症,治療,症状,潜伏期間

猫の風邪と言われる症状を起こすのが、猫カリシウイルス感染症です。併発して発症しやすいのが猫ウイルス性鼻気管炎で、ともに三種混合ワクチンを接種していると症状は軽減されます。

感染力が大変強く、1匹に発症が確認されると近くにいる猫は、ほとんどが感染してしまいます。ただし、カリシウイルスは1度感染すると次からは軽度な症状で留まることが多くなります。

そこで今回は、感染力の強い猫カリシウイルス感染症の治療法や症状、潜伏期間などについて詳しく解説いたします。

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猫カリシウイルス感染症とはどんな病気なの?

猫カリシウイルス感染症,治療,症状,潜伏期間猫カリシウイルス感染症は、ほぼ全部の猫が感染したことがあるのではないかと言われるほど感染力の強い病気です。人間が感染するノロウイルスと同様にエンゲロープを持たないウイルスのため、アルコール消毒は効果がありません。

ウイルスは乾燥した環境が好みなので、冬場の感染が多くなります。同じ条件で好発する猫ウイルス感染症と併発することが多く見られ、いわゆる風邪症状と言われる「くしゃみ」「鼻水」「よだれ」などはどちらのウイルスでも同じ症状が出ます。

カリシウイルス感染症は、インフルエンザのように型があり、1度感染しても違う方のカリシウイルスに感染することがあります。ワクチンを接種していると、どの型のカリシウイルスにもある程度の反応が期待出来て軽度の症状で済みます。

また、同じ型のカリシウイルスに感染した場合は2度目からは症状は軽くなり、感染しても発症しないことも多くなります。カリシウイルスは、回復してもウイルスが全滅することは少なく、感染した猫の9割が体内に保菌する「キャリア」となります。

キャリアはそのウイルスの免疫を持つのでその後の感染では症状が出ないことや、出ても軽度なことがほとんどです。ただし、同時にウイルスも持っているので、不顕性感染猫としてウイルスを撒き散らす側になってしまう可能性もあることを忘れてはいけません。

大抵の場合ウイルスの毒性は強くなく、命を失うことはありませんが、母猫の免疫が効力を失ったばかりの子猫が感染すると危険が伴います。野良猫や捨て猫の子猫を保護すると、ほとんどの子が目やにやくしゃみ、鼻水で顔をクシャクシャにしていますね。

そのため、瀕死の状態で保護し「高栄養」を与えて回復を祈る状態になることは少なくありません。感染していない状態で子猫を放置すると、感染しやすい冬場などではあっという間に子猫は感染してしまい、栄養ももらえずに衰弱して死んでしまいます。

野良猫の家族で感染した場合は、もともと備わった免疫力の差によって母乳を飲むことで耐えきれる子と耐えられない子に分かれてしまいます。子猫にとって最初の試練となるのが猫カリシウイルス感染症、猫ウイルス感染症の併発となることが多いのです。

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感染ルートと症状は?

猫カリシウイルスに感染するのは、感染した猫に未感染の猫が直接触れてしまうことや、ウイルスを自宅に入れてしまうことで感染します。

外に遊びに出かけた猫は、ウイルスを持ち帰ることが大いにあり得ます。カリシウイルスは乾燥期では1ヶ月ほど存在し続けるため、そこら中にあるのです。

感染した猫と仲良くしても、ケンカしても、マーキングの臭いを嗅いでも感染してしまいます。自宅で多頭飼いしている場合は、ウイルスに感染してきた猫と同じ食器でエサを食べたり、トイレを済ませることで全員が感染してしまいます。

うちは完全室内飼いだから安心だな、と思っていると突然発症して驚いてしまう事があります。これは飼い主がウイルスを運んで来てしまった可能性が高いです。

カリシウイルス感染症の猫がくしゃみをしたり、排尿、排便したあとを知らずに踏んでしまった靴が原因となることが多いのです。猫は飼い主の靴を嗅ぐのが大好きなので、その時ウイルスに感染してしまいます。

また、自宅以外のところで猫を触り、そのままの手で飼い猫に触れてしまうことでも感染します。それだけウイルスの生命力と感染力が強いと言うことなので、感染を防御するのは至難の業です。

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そのため、1番良い予防法は三種混合や五種混合のワクチンを接種して、感染しても軽度に済ませることなのです。違う型に感染しても軽度で済むのは大変画期的なことです。

カリシウイルスの厄介なところは、口が好発部位になることです。発症し始めは、鼻水やくしゃみなどの風邪症状なのですが、口内炎や舌炎と言った口の中に炎症や潰瘍が出やすいため、そうなるとエサを食べられなくなり一気に体力を消耗してしまいます。

体力が落ちると、体は免疫力を高めるために高熱を出し始め、さらに症状は悪くなります。個体差があるため、初期の段階で口内炎などの症状が出る場合もあり、その時はすぐに病院に行き、栄養剤と水分補給の点滴を受けましょう。

潜伏期間と治療法

猫カリシウイルス感染症の潜伏期間はおよそ2~5日です。この間でも感染は起こります。子猫がいる時はワクチンを接種しておくと安心です。

発症してしまった時は、二次感染を防ぐための抗生物質と免疫力を高めるためのインターフェロン剤を注射します。ウイルスを直撃する特効薬は無いので、これ以上悪くならないように手を打つことしか出来ません。

その子の生きる力を出来る限り応援して、あとは自力でウイルスに勝ってもらうしかないのです。インターフェロン剤ではインターキャットがかなり有効な結果を出していると言われています。

1度の注射でよだれや目や鼻のグジュグジュしていた不快症状が止まり、1日おきに3回の注射で回復するケースが多くみられています。ただし100%とはいかず、もともと体力に乏しい子猫や高齢の猫、病み上がりの猫などは命を落とすこともあります。

猫カリシウイルス感染症の場合は、口の中に炎症が出るので、栄養が取れなくなることが心配です。口の中を見ると、白い膿をもった口内炎が複数出来たり、くぼんだ潰瘍、舌先が真っ赤に腫れあがる舌炎など、痛々しい症状が出ます。

この状態では、自分でエサは食べられません。痛みで水さえ飲みたがらなくなります。そのため、他の症状がさほどひどくなくても、口に炎症が起きたらすぐに病院に連れて行きましょう。

これは体力が落ちる前に行くことが大切です。一度落ちたものを上げるのは、とても大変なことなのです。早めの対応が猫を守ります。高栄養の薬や水分を補給することで体力を保ちましょう。

また、猫ウイルス感染症を併発すると「結膜炎」を起こす可能性があります。カリシウイルスが「口」に好発するのに対し、猫ウイルス感染症は「目」に好発するのです。目やにが大量に出て、目が開かないような時は十分に注意してください。

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まとめ

猫カリシウイルス感染症は、「生命力」「感染力」ともに大変強いウイルスです。そのため、多くの猫が発症しやすい感染症と言えます。1度感染するとキャリアとなり、免疫と一緒にウイルスも保持することになります。

ウイルスには型があり、同じウイルスに感染するとは限りません。キャリアは同じ型には有効ですが、違う場合は症状が出ます。ワクチンを接種していると、型が違う場合でもかなり症状は軽減されます。

口に好発するので、口内炎や舌炎がないか確認しましょう。口に問題があると、猫はエサを食べなくなり体力が消耗します。そうなる前に病院に行き治療しましょう。

体力が乏しい猫は重症化することがあり、命を落とすこともあります。悲しい事態を避けるためにもワクチンを接種しておくと症状を抑えることができて安心です。

また、アナタの愛猫が大きな怪我や病気をした場合の時の準備はできているでしょうか?どんなに健康な愛猫も、歳をとり病気や怪我をしてしまう事は覚悟しないといけません。

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