猫が胸膜炎に!手術は必要?原因や症状まで詳しく解説!

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肺は硬い肋骨が守る胸腔の中に入っています。そしてさらに胸膜で覆われて守られています。呼吸が止まると生き物はすぐに死んでしまうので、肺と心臓は「横隔膜」「肋骨」「胸膜」または「心膜」に厳重に守られているのです。

胸膜が炎症を起こすことを「胸膜炎」と言いますが、胸膜炎が起こると肺と胸膜の間に液体が溜まります。この液体は、胸膜の炎症を起こしている原因によって中身や名前が変わりますが、液体すべてをまとめて「胸水」と呼びます。

「胸に水が溜まっている」と良く聞きますが、胸水を起こす胸膜炎とはいったいどんな症状のことなのでしょう。

そこで今回は、猫が胸膜炎と診断された時、手術は必要なのか、またどうしてこんなことになってしまったのか、その原因や症状を詳しく解説いたします。

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猫が胸膜炎に!原因や症状は?手術は必要?

猫,胸膜炎,手術,原因,症状胸膜が炎症を起こす原因として考えられるのは、「基礎疾患による細菌感染」「外傷性」「腫瘍性」です。

胸膜と肺の間には、うっすらと液体が存在しています。これは常に静かに流れていて、肺と胸膜がこすれてしまわないように潤滑する役割があります。体重が3~4kgの猫であれは、5ccほどの量です。

通常のわずかな胸水は、少しづつ胸膜の毛細血管から入り、同じように少しづつリンパ管から出て行くことを繰り返して流れています。

胸膜炎を発症すると、そこに大量の水分が溜まります。これを胸水といい3~4kgの猫が200cc前後の液体が溜まってしまう事もあるのです。入ってくる量が増えてしまったか、出にくくなってしまったかのどちらかが溜まる原因と言う事です。

そのため、原因がどのようなことであろうとも、呼吸が苦しい時は、肺がおぼれてしまわぬうちに胸水を抜く処置が必要です。

病院につくと、通常はX線や血液検査をしますが、状態によってはとにかく胸水を抜くことを先にすることがあります。これは、医師の経験や知識によるもので、このままでは検査をしている間に呼吸が出来なくなる!と判断したと言う事です。

その後、抜いた胸水を検査し、どんな水分が溜まっていたのか内容を分析します。この水分は、「漏出液」「変性漏出液」「滲出液」に分類することが出来るため、その内容によってある程度の原因を突き止められるようになります。

胸膜炎で胸水が溜まり始めた時の症状とは?

胸水が溜まり始めると、猫は呼吸が苦しくなるためあまり動こうとしなくなります。肩で息をするようになり、徐々に悪化していきます。食欲が落ち、よだれが出て元気がなくなります。

ゼーゼーと口を開けたまま苦しそうな呼吸になり、呼吸困難やチアノーゼを起こすこともあります。胸水の溜まる速度は、原因や程度、また個体差も関係するため、浸みるように少しづつ溜まる場合と、みるみるうちに増えてしまう場合とに分かれます。

急性の胸水の場合は、数日のうちに死んでしまうこともあるので、異変に気付いたらすぐに受診することが大切です。

また、体を横にすると胸が痛いため、ずっと座った状態でうずくまります。前足を突っ張るようにして座りだすと、かなり辛い状態です。一刻も早く水分を抜きださなくては、呼吸困難で絶命してうこともあります。

胸水が膿胸と診断された!

膿胸ってどんな状態?

胸水の中で1番予後の良いのが膿胸です。中の水分は「滲出液」ですが、細菌感染により炎症部から膿が発生して滲出液に混ざったものです。赤が混ざった黄色状のネバネバした液体で、細菌により膿特有の臭いがします。

膿胸を起こす細菌は色々なところから感染します。体に入った細菌が血流に乗って、胸膜に届いて感染することもあるためです。鼻炎や歯周病など、胸から遠いところからやってくる細菌もいるのですが、一番多いのはすぐ近くの肺炎です。

肺炎の場合は、すでに炎症を抑える治療をしている途中かもしれません。薬を飲んでいるのにも関わらず、呼吸が苦しいままなので調べてみると胸水が溜まり始めていた、と言う事は良くあるのです。

薬を飲んでいるから治るだろうと判断せず、軽度の肺炎の場合でもその後の観察は大切です。この場合は、「基礎疾患による細菌感染の胸膜炎で膿胸を起こしている」と言う状態です。

ケンカで噛まれたことで相手の細菌に感染することもあります。実は猫の膿胸ではケンカ感染が一番多いと言われているのです。これは、外に出さないようにすることで避けることができます。

こちらは「外傷性細菌感染の胸膜炎で膿胸を起こしている」と言う状態です。共に、程度がひどく、膿胸によって肺が押しつぶされてくると「胸水貯留」が起きていると言うことになります。

膿胸の治療や予後は?

まず中の膿を取りだします。注射針で抜きだしますが、大量に膿が溜まっているような時はすぐにまた溜まるため、胸部に穴を空け、チューブを入れて胸腔ドレナージと言う方法でポンプで吸いだします。

この方法では、膿を出したあと患部の洗浄もできるため早い回復が望めます。基礎疾患が重篤であれば、無理な処置はおこなわず、膿を出すことだけで、あとは基礎疾患の治療になります。

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胸腔ドレナージは安全性を考えすべての猫に麻酔をかける先生もいて、その場合悪化してグッタリとしている状態の猫には麻酔が打てないため、ステロイドや抗生物質で細菌を抑えながら利尿剤で排出させるようにします。

効き目はゆっくりですが、高齢の猫や大変弱っている猫には無理は禁物です。熟練の先生だと、グッタリしていたり、大人しい気性など、その場の状況を考えて麻酔なしで処置できることもあります。胸の中の水分がなくなると呼吸が楽になるため、出来る限りは抜いてしまいます。

胸腔ドレナージをした場合は最短で1~2日の入院となるかもしれません。高濃度酸素室で呼吸を助けながら、様子を見ます。細菌には有効な抗生物質などがあるため、膿胸は本来予後の悪いものではありません。

ただし、膿胸はひどくなくても基礎疾患が重篤であれば助からないこともあります。また、軽い肺炎だと思っていたら、ひどい膿胸によって呼吸困難で亡くなってしまう事もあるのです。

猫の病気は、わからないことや予想がつかないことが多いため、常に手探りの治療になると言えます。

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胸水が漏出液や変性漏出液だと診断された!

漏出液が溜まる原因や治療法は?

漏出液が貯留することで1番に考えられる病原は心臓疾患です。水圧の上昇と浸透圧の低下が起こり、水分が漏れ出します。また、漏出液からは低タンパク、低アルブミンが検出されるため、腹水を伴う「ネフローゼ症候群」が考えられます。

この場合、溜まる速度や量、猫の体力、基礎疾患の症状により、ドレナージはせずに利尿剤で排出させることがあります。心臓疾患がある場合などは、ドレナージの負担が大きくなるためです。

また、基礎疾患の検査などでたまたま胸水が見つかり、猫には無症状の場合があります。このような場合は、無理に抜かず、自然に流れて行くのを待ちます。

胸水はもともと壁側胸膜の毛細血管から胸膜内に入り、リンパ管から流れ出ています。そのバランスが崩れることで貯留するので、呼吸に問題がなければ、流れるバランスが戻るのを待つのです。

反対に、繰り返し胸水が浸みだしてしまう場合には、「胸膜癒着療法」と言われる方法で肺と胸膜をくっつけてしまいます。これをするためには、肺が膨らんでいる事が必須条件となります。

1度でピッタリとくっつくことはなく、ほとんどの場合数回にわたり接着を試みる事になります。

外科的手術で行う場合は、肺と胸膜にブラシをかけて両方を癒着させますが、今はほとんどの場合チューブドレナージを使い、硬化剤と言われる接着剤(タルク、ドキシサイクリンなど)を流しこみます。

ガン性胸膜炎を起こした時の症状や治療法は?

ガンが胸膜に転移することで発症します。この時に溜まる胸水は、臭いも粘り気も少ない白濁した滲出液です。しばらく放置すると沈殿しほぼ透明になります。

胸膜に発症するガンは、細かい種を撒き散らしたような「播種」と言われる状態で、取り去ることは不可能です。さらに滲出液には高いタンパク質が検出され、体内のタンパク質が流れ出てしまっていることがうかがえます。

この場合は、痛みを取ったり、猫が苦しまないようにする対症療法をとります。軽快はかなり難しく、発見が早ければ4~5年頑張れることもありますが、残念ながら予後は悪くこのあと数日から数か月で命を落とす猫が多いのです。

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まとめ

胸膜炎を起こすと、その後必ず「胸水」「胸水貯留」がついてまわります。胸水は、漏出液、変性漏出液、滲出液に分類されます。これによって、症候性であるかどうかの判断基準となります。

また、膿胸は胸膜が細菌感染するために起きるので、感染症予防のためにもワクチン接種はしておくと安心です。

ガン性胸膜症を発症した場合は、まず苦しみを取り除いてあげることを考えてあげることです。呼吸を助けるために、酸素室にいれてあげたり、高栄養な美味しい食べ物を少しでも食べさせてあげるなど、体力の温存を考えてあげましょう。

胸膜炎からの胸水は、検査をする割にはハッキリとした原因が突き止められないことが多く、飼い主はもどかしさや腹立たしさ、愛猫を失うかもしれない恐怖と戦うことになります。

医師との信頼関係は非常に大切になります。今施している治療がどう言う意味を持つのか、よくわかるように説明を求めましょう。そして、医師と飼い主が一緒になって治療に向き合うことが大切なのです。

また、アナタの愛猫が大きな怪我や病気をした場合の時の準備はできているでしょうか?どんなに健康な愛猫も、歳をとり病気や怪我をしてしまう事は覚悟しないといけません。

猫には人間と同じように皆保険があるわけではないので、病気によっては高額な治療費になる事も多くあります。その時に治療費が高額で、適切な治療を受けれない、選択することができないという事がないようにしたいものです。

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